■ 場を活かす

土地を読む・場を活かす

住まいにはそれを取り巻く環境があります。

敷地の形状、道路の位置やその幅員、方角はもちろんのこと 前の道路の人通りや車通り、隣の家の窓の位置、うまく活かせる借景があるかも 設計に大きく影響しています。

単なる条件ではなく、実際にその土地に立ってみるからこそ分かることもあると思います。

池田デザイン室の設計する上での着目点をいくつかPICKUPしてみます。

日射の方向
通常、日本では南側に太陽がありますから、基本的には、南側からの日射がとれるように、計画します。

太陽の光がないことは人間の暮らしに大きな影響を及ぼします。バイオリズムを崩したり、室内にカビが生えたり、健康的にもよくないことだらけ。いかに光を建物に取り入れるか、これは建築の永遠のテーマともいえます。

土地を読む・場を活かす

建物を北に寄せて、南側に庭をとることで、建物に光を入れる。庭には落葉樹を植え、葉が茂る夏は日差しを遮り、葉が落ちる冬は日差しを取り入れることができるという話は、聞いたことがある方も多いと思います。

(余談ですが、庭は昔ながらの日本庭園のように、「見る庭」から、アウトドアライフを楽しむ「使う庭」に変化していっていると思います。庭も建物の一部のこととして計画することで、積極的に内と外をつなげるプランニングを提案しています。)

しかし、単純に南に庭を設けられないケースも沢山あります。その場合は、どのように光を建物に導くかを、建物の形状、断面計画を検討していきます。吹抜を設けたり、上下階をずらして、光を取り入れたり、様々な工夫をすることで、明るい空間を実現しています。

隣家に対しての配慮
家を持ち、その土地に根ざして暮らしていく中で、やはりお隣さんとの関係は上手くいきたいものです。ほんと、世の中にはいろんな人がいるもので、中には、気難しいお隣さんという場合もあるでしょう。音の問題、視線の問題などをきちんと考え、配慮することで、大きな問題を未然に防ぐことができると思います。

まずは、視線の問題。
密集地の場合、窓と窓が向かい合わせになってしまうと、生活のうえで大きなストレスを抱えることになります。せっかく窓があるのに、開かずの窓になってしまっては、風通しも悪くなります。窓の計画では、窓が見合いにならないように、平面的にまたは断面的に、検討していきます。

次に、音の問題。
玄関や、子供が小さい場合は、リビングや子供室などはどうしても騒がしくなってしまいます。お隣さんの家族構成や性格にもよりますが、そういった音に対しての配慮も平面計画に大きく影響します。逆に、お隣さんの騒がしい部分に対処して寝室の位置を配慮することもあるかもしれません。

通常の平面図には、お隣さんの窓の位置まで記載しませんから、建物が完成してから、問題が発覚することもよく耳にします。自分では変えられない、周囲の環境に対処していくことは、お互いの生活を尊重して良好な関係を築いていく上で、不可欠だと考えます。

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帰路からの見え方
外出していて、家路につく道すがら、家が見えるとなんともホッとした気持ちになります。自分の居場所に帰ってきた安心感っていいものですよね。帰ってくる家族を温かく迎え入れるアプローチ、外観をとても大切にして、提案をしています。

建物は立体です。
立面図は単なる図面ですし、角度的に図面のように見えることはまずありません。池田デザイン室は立体として、空間把握をしてもらいたいと思いますので、必ず模型を製作しますが、帰り道からの見え方にとてもこだわっています。

ほっとする時に視野に入る家のかたち。家の外観が最も見られる瞬間であると思いますから。

反対に、家の中にいて、帰ってくる家族を待っている人がいます。「そろそろ帰ってくるかな・・・」
帰ってくる道の方向や玄関アプローチが見えるように、小さな窓をつけたりします。

実際に、その土地に立ち、そこに住むご家族のそこで生活する姿を想像しながら 浮かびあがる家のかたちを感じ、図面にしていきます。

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