MAKING

耐震補強+リノベーションする

耐震リフォームのS様邸での造作家具です。
とてもすっきりと暮らされておられるS様ですが、ひとつ悩みのタネが。
それは、ご主人の本。
さすがにご主人のものなので、捨てるのもできず、押入れの下段や収納が空いているお部屋にしまっておられました。 押入に入っていても、どんな本があるかも分からないし、結果見ないことになるので、
「すべてまとめて、見やすくしたい。」
そして、
「お孫さんが来た時に、おばあちゃんの家は玄関に本棚がある!」と思い、そのことを将来も覚えていてほしい。とのことで、この本棚のデザインに至ったのでした。

もともとの玄関。

が、こうなりました。
お手持ちの本がどれくらいあるかをお聴きし、本棚スペースを確保。玄関らしく、飾るカウンター部分と最小限の下足収納部をとりました。
紺色のスツールは池田デザイン室からのプレゼント。玄関に椅子があると、靴を履いたり、荷物を置いたり便利ですし、ちょこっと本棚から出した本を見るのにも便利です♪

今回の面材はオーク突板です。カウンターの背面には、ステンレスパネルを。シャープなデザインがお好きということで、バイブレーション仕上げのステンレスパネルを使いました。

玄関収納の下足入れ部分は、必要なスペースだけ。

後日、伺ったら、ばっちり本が入っていました。想像していた暮らしの様子を実際に見せていただく時が、この仕事の一番シアワセな時です。

ご主人さまの本の中で、表紙を見せるのに一番よさそうな本を探して、飾られていました。美術書で、とてもかわいらしい金魚の絵です。少しスペースがあまったそうで、また増えても対応できますね。
玄関が、本棚をつくることでプラスの要素を吹き込まれ、 魅力的なお部屋になった感じがします。「玄関はこうでなくてはいけない」という固定概念にとらわれずに、自由な発想で暮らすこと。これって、本当に大切だなぁと改めて感じた次第です。